ファイナンシャル
プランナー(FP)コラムスタグフレーション下における日米の住宅購入事情から読み解く
今後の取るべき対応策について
執筆者
AFP(日本FP協会認定)
住宅ローンアドバイザー
将来の幸せを守るライフエージェント
つくば店店長 黒田 恭史 が執筆しました。
米国ではコロナ感染やロシアのウクライナ侵略などの影響で高インフレが進行しておりその勢いが中々止まりません。消費者物価指数も直近では8%以上になっており、ガソリン価格や食品価格などあらゆる物の値上がりが起きています。その為、FRBは前回の会合で政策金利を0.75%引上げましたが、7月の会合でも同様に0.5%〜0.75%の引上げが予想されております。
一方、日本において日銀はマイナス金利政策を継続しており、日米の金利差や日本の貿易赤字体質の定着などで急速な円安・ドル高となっておりその上限はまだ見えていません。このような環境下での米国の住宅事情は、同様に価格の上昇が起きており一般の戸建て住宅の平均価格は約40万ドル(約5,400万円:1ドル135円)で、直近の30年固定金利6%で計算すると、毎月の住宅ローン返済額は323,757円となります。又、米国での固定金利と変動金利の選択割合は概算で固定金利が90%、変動金利が10%になっており、日本の固定金利30%、変動金利70%とはその比率が全く異なっております。
この中で、米国での変動金利を選択している10%は、現金でも購入できる購買層と推測されます。(変動金利で金利が上昇しても直ぐに返済が可能)
住宅ローンのような多額の資金を長期間で借入れる場合の金利選択は、「金利水準と今後の動向」をどう考えるかが重要です。
以前のコラムでも指摘しましたが今回と同様のゼロ金利であった1930年の世界大恐慌時には、その後35年間で世界の短期金利は約15%迄上昇したことや現在の世界的なインフレ傾向を考慮すると固定金利を選択することが安全であると考えます。
今後の世界経済は、政治体制の違いによる経済の分断が起こり従来のような経済効率ではなく、経済安保による同盟国中心のサプライチェーンに移行してきています。これは、生産コストの上昇を意味し現在のインフレを加速する要素となります。日本においては、「賃金が上がらない中の物価高」になるスタグフレーション対策として日銀が政策金利の変更をして短期金利が急騰した場合、変動金利の住宅ローンは破綻する危険性が高まります。
その上地政学リスクが高まっている不安定な時代では、不確定要素をひとつでも排除すべきです。
現在の自らの状況でどのような選択をすべきか、又どのような対策を取ればよいかを悩まれている方は、住宅購入診断士の資格を持つ「おうちの買い方相談室つくば店」のファイナンシャルプランナーに是非ご相談下さい。
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