ファイナンシャルプランナー(FP)コラム

変動金利は危険?金利上昇時に本当に起こることとは
執筆者
AFP(日本FP協会認定)
住宅購入診断士
住宅ローンアドバイザー
親しみやすさ抜群 ハウスメーカー出身プランナー
エグゼクティブライフエージェント 平野 豊

住宅ローンを検討する際、「変動金利は将来上がるから危険ではないか?」という不安の声を多く耳にします。確かに金利上昇の可能性はゼロではありませんが、実際の仕組みを正しく理解している方は意外と少ないのが現状です。
本稿では、変動金利の基本的な仕組みと、金利が上昇した場合に実際に何が起こるのかを整理します。
1. 変動金利はなぜ人気なのか
現在の住宅ローンにおいて、変動金利を選択する方は非常に多くなっています。
その理由はシンプルで、固定金利よりも金利が低く、毎月の返済額を抑えられるためです。
例えば同じ借入額であっても、固定金利より変動金利の方が毎月の返済は数万円程度低くなるケースもあります。
その分を教育費や貯蓄、資産運用に回せる点は大きなメリットです。
2. 金利が上がると何が起こるのか
変動金利は、一般的に半年ごとに金利の見直しが行われます。
しかし、すぐに返済額が大きく変わるわけではありません。
ここで重要になるのが、以下の2つのルールです。
5年ルール(返済額はすぐには変わらない)
多くの住宅ローンでは、たとえ金利が上昇しても
返済額の見直しは5年に1回までとされています。
つまり、短期的に金利が上がったとしても、
すぐに家計へ大きな影響が出るわけではありません。
125%ルール(急激な負担増を防ぐ仕組み)
さらに、返済額の見直し時にも制限があります。
それが 「前回返済額の125%までしか増えない」 というルールです。
例えば10万円の返済であれば、次の見直し後でも最大12万5千円までに抑えられます。
この仕組みにより、急激な返済負担の増加は抑えられています。
3. 注意すべき本当のリスク
ただし、「安心」と言い切ることはできません。
変動金利の本当のリスクは、“見えにくい負担の増加”にあります。
金利が上昇しても返済額が据え置かれる場合、
実際には 元金の減りが遅くなり、利息の割合が増えることになります。
さらに金利上昇が続いた場合、
最終的な総返済額が増える可能性がある点には注意が必要です。
4. 変動金利を選ぶ際の考え方
変動金利が向いているかどうかは、金利の動きだけでなく、家計全体で判断することが重要です。
▼変動金利が向いているケース
- 手元資金に余裕がある
- 繰上返済ができる準備がある
- 収入が安定している
▼注意が必要なケース
- 返済額に余裕がない
- 貯蓄が少ない
- 将来の支出(教育費など)が見込まれている
重要なのは、「金利が上がったらどうするか」を事前に考えておくことです。
まとめ
変動金利は決して危険な商品ではありませんが、
仕組みを理解せずに選ぶことはリスクにつながります。
特に、
- 5年ルール
- 125%ルール
- 元金減少の遅れ
この3点を正しく理解しておくことが重要です。
住宅ローンは長期間にわたる大きな契約です。
金利の低さだけで判断するのではなく、ライフプラン全体を踏まえたうえで選択することが、安心した家計運営につながります。
不安がある場合は、専門家に相談しながら、ご家庭に合った最適な選択をしていくことをおすすめします。
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