ファイナンシャルプランナー(FP)コラム

2026年住宅ローン減税制度について
執筆者
TLC(生命保険協会認定FP)
2025年度MDRT成績資格会員
お客様の為に!日本一スキーの上手なファイナンシャルプランナー!
エグゼクティブライフエージェント 齊藤 基幹

みなさんこんにちは!2026年の税制改正大綱がでましたね!
2026年(令和8年度)以降の住宅ローン減税の制度設計は、政府・与党の税制改正大綱に基づき、大きな方向性が固まりつつあります。
ポイントや背景、住宅取得への影響などをわかりやすく整理しました。
1. 住宅ローン減税とは
住宅ローン減税(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、住宅を購入・新築・増改築する際に住宅ローンを利用した場合、年末のローン残高の一定割合を所得税・住民税から控除(税金を減らす=戻ってくる)する制度です。これは、若い世代や子育て世帯にとって住宅取得の負担を軽減する重要な税制優遇策であり、長期にわたり日本の住宅政策の柱のひとつになっています。現在の制度では、住宅ローンの年末残高の**0.7%**が所得税から控除され、控除しきれない場合には住民税分から一部控除されます。控除期間は住宅の種類や条件により最大13年です。
2. 2025年までの制度と課題
2021年の税制改正以降、控除率は0.7%に設定され、控除期間は新築・高性能住宅で最大13年、一般住宅では10年とされてきました。また、住宅の省エネ性能によって借入限度額や控除上限額が異なり、省エネ・長期優良住宅等は優遇枠が大きく設定されています。
ただ、住宅価格の上昇や長期金利の変動、人口減少・少子化による住まいのニーズ変化などを背景に、制度の適用期限が2025年末で切れる点が課題とされてきました。多くの購入希望者が、2025年中の入居を条件に優遇措置の適用を急ぐ状況が生まれていました。
3. 2026年度税制改正と制度の延長
(1)制度の5年間延長
政府・自民・公明など与党は、2025年限りとなっている住宅ローン減税の適用期限をさらに5年間延長し、2030年(令和12年)まで適用できるようにする方針を固めました。 これは住宅価格高騰や需要の減速に対応し、住宅取得支援を継続するための措置です。
4. 2026年以降の主な改正ポイント
与党の税制改正大綱や税務・不動産関連情報をもとに、2026年以降に予定されている制度変更の主なポイントをまとめると以下の通りです:
適用対象の拡充と重点シフト
新築住宅だけでなく中古住宅(既存住宅)の支援が拡充され、省エネ性能を満たす良質な既存住宅については、借入限度額・控除期間ともに新築同様の優遇が受けられる方向です。
借入限度額の見直し
現制度では省エネ性能等に応じて借入限度額が異なる仕組みですが、改正後は中古住宅でも最大4,500万円程度までの借入残高が控除対象となる見込みです。新築の優遇枠と同等水準とすることで、住宅取得の選択肢が広がります。
控除期間の統一・延長
中古住宅については、これまで最長10年だった控除期間が新築と同じ最大13年へ延長される方向です。これにより、新築・中古いずれの選択でも長期的なメリットが得られやすくなります。
所得制限・床面積要件
制度の適用には所得制限(概ね合計所得2000万円以下など)や住宅の床面積が40㎡以上であることなど、要件が維持・明確化される予定です。床面積要件の緩和は、コンパクトな住宅を選択する傾向にも対応しています。
災害リスクの高い区域の規制
安全性の観点から、災害リスクが高い「レッドゾーン」区域での新築住宅は対象外とする除外規定が導入される予定です。これは災害リスクの高い土地への支援を抑制する政策的意図があります。
5. 制度の意義と住宅取得への影響
住宅ローン減税は単なる税制優遇にとどまらず、次のような広い意義があります:
住宅市場の安定化
制度を継続・拡充することで、住宅購入希望者の計画が立てやすくなり、住宅市場の安定にも寄与します。特に住宅価格が地方・都市部問わず高止まりしている現状では、税制面の支援が購入決断の後押しとなります。
省エネ・高性能住宅の普及促進
省エネ基準を満たす住宅について優遇措置を維持・強化することで、環境性能の高い住宅の普及にもつながります。これはCO2削減や快適な住環境の実現という社会的要請にも合致します。
若年世代・子育て世帯の支援
子育て世帯・若年夫婦世帯に対する優遇措置が維持される方向であり、住宅取得の初期負担を和らげる効果が期待されます。
6. 留意点と今後の動き
ただし、**2026年以降の制度内容は最終決定ではなく、税制改正法案の審議・成立を経て確定します。**具体的な控除率・限度額・要件の細部などは、国会での議論や最終決定を待つ必要があります。したがって、住宅購入や建築を計画している人は、最新の法令・税制改正情報を確認することが重要です。
7. 結論:制度延長は「安心材料」
2026年以降、住宅ローン減税は単に延長されるだけでなく、住宅市場の実態に合わせて見直し・強化される方向にあります。既存住宅の支援拡充や省エネ優遇の継続など、これから住宅購入を考える人にとっては負担軽減につながる安心材料として評価できるでしょう。
ただし、法案成立までの動きや要件の細部はこれから確定していくため、税理士や不動産の専門家と相談しながら、計画的に制度を利用していくことが大切です。
ご希望があれば、住宅ローン減税のシミュレーション例や、所得税・住民税との関係でどれだけ得になるかの計算例もお作りできます。必要であればお知らせください。
では、2026年の住宅ローン減税を前提にしたシミュレーション例を、条件別にわかりやすくご説明します。
※あくまで「想定モデル」であり、実際の控除額は所得・家族構成・税制確定内容により変わります。
前提条件(共通)
- 控除率:年末ローン残高の0.7%
- 控除期間:13年間
- 所得税で控除しきれない分は、住民税から一部控除
(上限:97,500円/年) - 省エネ基準適合住宅(2026年想定)
シミュレーション①:共働き・30代世帯/新築省エネ住宅
条件
- 住宅価格:5,000万円
- 住宅ローン借入額:4,500万円
- 金利:1.0%(元利均等・35年)
- 世帯年収:700万円(所得税・住民税あり)
年間控除額(初年度)
- 年末ローン残高:約4,450万円
- 控除額:
4,450万円 × 0.7% = 約31.1万円
👉 所得税から約25万円控除
👉 住民税から約6万円控除
13年間の合計控除額(概算)
- ローン残高は徐々に減少するため
総控除額:約350〜380万円
✔ 住宅取得コストを大きく下げる効果
✔ 毎年の税負担が軽くなり家計が安定
シミュレーション②:中古住宅購入/単身・40代
条件
- 中古住宅価格:3,200万円
- 借入額:3,000万円
- 金利:1.2%
- 年収:500万円
- 省エネ基準を満たす中古住宅(2026年拡充想定)
年間控除額(初年度)
- 年末ローン残高:約2,950万円
- 控除額:
2,950万円 × 0.7% = 約20.6万円
👉 所得税:約15万円
👉 住民税:約5万円
13年間の合計控除額(概算)
- 約220〜250万円
✔ 中古住宅でも新築並みの控除
✔ リフォーム費用を含めた資金計画が立てやすい
シミュレーション③:控除しきれないケース(所得が低めの場合)
条件
- 年収:350万円
- 借入額:4,000万円
控除額の考え方
- 年間控除額:約28万円
- しかし
- 所得税:10万円しか発生しない
- 住民税控除上限:97,500円
👉 実際の控除額
- 所得税:10万円
- 住民税:9.75万円
- 合計:約19.75万円
⚠ 控除額が満額使えない場合もある
➡ ペアローンや収入合算での対策が有効
所得税・住民税との関係まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得税 | 控除のメイン。年収が高いほど有利 |
| 住民税 | 所得税で引ききれない分を補完 |
| 上限 | 住民税は年97,500円まで |
| 対策 | 夫婦でローンを分けると有効な場合あり |
シミュレーションから分かる重要ポイント
✔ 借入額が大きいほどメリットが大きい
✔ 省エネ住宅かどうかで控除総額が数十万円変わる
✔ 所得に対してローンが大きすぎると控除を活かしきれない
✔ 中古住宅でも2026年以降は十分に有利
まとめ
2026年の住宅ローン減税は、
「いくら借りたか」+「どんな住宅か」+「所得状況」
この3点でメリットが大きく変わります。
事前にシミュレーションをしておくことで、
- 新築か中古か
- 借入額はいくらが適正か
- 単独ローンかペアローンか
といった判断が、数字で見えるようになります。
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