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住宅ローンは35年組むべき?40年組むべき?繰上返済の最適タイミングとは

2025.12.12

執筆者

AFP(日本FP協会認定)
住宅購入診断士
住宅ローンアドバイザー

親しみやすさ抜群 ハウスメーカー出身プランナー
エグゼクティブライフエージェント

平野 豊 が執筆しました。が執筆しました。

住宅ローンを検討する際、「35年と40年のどちらが良いのか?」 という相談を多くいただきます。
返済期間が長くなるほど不安に感じる方が多いですが、返済期間は“短い方が正解”とは限りません。
大切なのは、家計全体のバランスを見ながら設計すること です。

1. 35年ローンと40年ローンの違い(5000万円借入・金利1%想定)

返済シミュレーションは以下の通りです。

35年ローン

月々返済額:約141,200円
総返済額 :約5,786万円

40年ローン

月々返済額:約131,400円
総返済額 :約6,307万円

40年ローンは、35年ローンより 月々の返済が約9,800円少ない 一方、総返済額は 約521万円多くなります。

しかしこの 「月1万円前後の余裕」 は、教育費・老後資金の積立、予備費の確保に大きく役立つため、総返済額だけでは判断できません。

2. 長期ローンの最大のメリットは“家計の余裕”

返済期間を長くする最大のメリットは、毎月の負担を軽くし、家計に余裕を持たせられること です。

  • 子どもの教育費
  • 急な出費
  • 老後資金の積立

これらを考えると、「毎月の返済額を抑える」 ことは大きな安心につながります。
現在の住宅ローン金利は非常に低いため、無理に短くして返済額を増やすメリットは以前より小さくなっています。

3. 40年で組んで、後から繰上返済するのは合理的

40年ローンで返済額を抑えつつ、家計に余裕が出たタイミングで繰上返済して期間短縮する方法は、非常に合理的です。

理由

  • 教育費など変動が大きい時期でも家計が安定する
  • 手元資金が厚いほど不測の事態に強い
  • 低金利のため、繰上返済が最優先とは言えない

特に新NISAなど資産運用の選択肢が増えた現代では、「返すより増やす」 が適切なケースもあります。

4. 繰上返済の最適タイミング

繰上返済は、“早ければ良い”というものではありません。
以下の期間は、むしろ避けるべきタイミングです。

住宅ローン控除の期間(13年間)
控除額が減るため、繰上返済のメリットが低下します。

教育費のピーク(高校〜大学)
最も資金が必要な時期で、手元資金を減らすのはリスクです。

最適なタイミング

  • 住宅ローン控除が終わった後(14年目以降)
  • 教育費が落ち着いた時期
  • 老後資金の積立が順調に進んでいる状態

この条件がそろった時に繰上返済をすると、最も効率的かつ安全に返済期間を短縮できます。

まとめ

35年ローンも40年ローンも、どちらが“正しい”わけではありません。
重要なのは、返済額を無理なく設定し、家計に余裕を持たせること。

40年ローンで毎月の負担を軽くしておき、必要なタイミングで計画的に繰上返済を行うことで、教育費・老後資金と両立しながら安心して住宅を持つことができます。

住宅ローンは “家計全体の戦略” です。
迷われる場合は、専門家に相談しながら最適な返済計画を立てることをおすすめします。

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エグゼクティブライフエージェント 平野 豊

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