ファイナンシャル
プランナー(FP)コラム子育て世帯の住宅購入、教育費と老後資金をどう両立させる?
執筆者
AFP(日本FP協会認定)
住宅購入診断士
住宅ローンアドバイザー
親しみやすさ抜群 ハウスメーカー出身プランナー
エグゼクティブライフエージェント 平野 豊

住宅購入は「人生で最も大きな買い物」と言われます。数千万円規模のローンを組み、30年以上にわたって返済していくケースも珍しくありません。しかし、特に30代・40代の子育て世帯にとっては、住宅購入と同じタイミングで「教育費」と「老後資金」という大きなライフイベントが重なります。
もし住宅ローンの返済に偏りすぎると、教育費や老後資金が不足し、家計が圧迫されてしまう可能性があります。そこで本稿では、教育費・住宅ローン・老後資金をどうバランスさせるかを、ライフプランの観点から整理していきます。
教育費と住宅費の“ピーク”が重なるリスク
小さなお子さんがいるうちに住宅を購入するご家庭は多いですが、その場合は40代後半〜50代前半に「教育費のピーク」と「住宅ローンの返済」が同時にのしかかることになります。
例えば私立大学に進学すると、1人あたりおよそ500万~600万円が必要とされます。兄弟姉妹がいれば支出は倍増し、住宅ローンの月返済(10万円前後)と重なれば、家計の余裕は一気に縮小します。こうした「ダブル負担」を避けるには、購入前から教育費の時期と金額を把握し、長期的に見通すことが不可欠です。
老後資金を削ってはいけない理由
教育費を優先するあまり老後資金の準備が後回しになるケースも少なくありません。しかし、退職後の生活費は月23〜30万円が目安とされ、公的年金だけでは不足が出る可能性が高いのが現実です。いわゆる「老後2000万円問題」は依然として解決していません。
さらに、定年後まで住宅ローンが残っていると、年金収入からの返済に追われ、生活費が大きく圧迫されてしまいます。教育費と住宅費に気を取られて老後資金を犠牲にしないことが、家計の持続可能性を守るために重要です。
ライフプラン表で“見える化”する
教育費・住宅ローン・老後資金を両立させるために有効なのが「ライフプラン表」です。家族の年齢とライフイベントを時系列に整理し、各時点で必要となる支出と収入を可視化します。
- 教育費のピークはいつか
- 住宅ローン残高はどの年齢でいくらか
- 老後資金がどれだけ準備できるか
これらを一枚の表で把握することで、将来のお金の流れを数値で検討でき、無理のない住宅購入判断が可能になります。
両立のための具体的ポイント
教育費・住宅費・老後資金をバランスよく確保するための実践的なポイントは次の通りです。
- 住宅ローンは“借りられる額”ではなく“返せる額”で組む
年収の35%前後まで借りられることがありますが、安心なのは手取り年収の20%前後まで。審査基準ではなく家計基準で考えるべきです。 - 繰上返済は教育費ピーク後に行う
子どもの進学期は支出が膨らむため、この時期の繰上返済は控え、教育費が落ち着いてから実行するのが効果的です。 - 団信と生命保険を整理する
団体信用生命保険により住宅ローン残高は保障されるため、重複する生命保険を削減し、その分を老後資金の積立へ振り向けることが可能です。 - NISA・iDeCoを活用し資産形成を同時進行
住宅ローン返済と並行して、老後資金準備も進める必要があります。税制メリットを活かせる制度を取り入れることで、効率よく資産形成ができます。
まとめ
住宅購入は「家を持つこと」がゴールではなく、「持ち続けながら家族の人生を安心して歩むこと」が本来の目的です。そのためには、住宅ローンだけでなく教育費や老後資金を含めたトータルのライフプランを設計することが欠かせません。
将来の家計を数値で見える化し、教育費・住宅費・老後資金を無理なく両立させることが、豊かな暮らしを守る第一歩となります。住宅購入を検討する際は、ぜひライフプランから逆算した資金計画を立ててみてください。
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