ファイナンシャル
プランナー(FP)コラム住宅価格の高騰と今後の動向について
執筆者
AFP(日本FP協会認定)
住宅ローンアドバイザー
将来の幸せを守るライフエージェント
つくば店店長 黒田 恭史 が執筆しました。
ここ数年、ご相談者様の相談内容として増えているのが、希望するエリアで住宅購入を考えた場合希望の予算より数百万高く、購入してもやっていけるか不安というお声です。その多くの原因としては、数年前よりも不動産価格が数十パーセントも上がってしまっていることが挙げられます。
今回は近年特に上がっている不動産価格について、その原因と今後についてお話ししていきます。
1. 不動産価格は何で決まるのか
まず、不動産価格は大きく、建物価格と土地価格に分けることができます。
建物価格が決まる要因は様々な要因が絡んできます。
- 為替
- 原油価格
- 需要と供給のバランス
- 人件費
- 金利
などなど
土地価格が決まる要因はシンプルです。
- 需要と供給のバランス
買いたい方が多いエリアの場合は価格が高くても売れるため、不動産価格は上昇、
買いたい方が少ないエリアだとその逆で、不動産価格は下落します。
2. 不動産価格はなぜ今上がっているのか
建物価格については、新型コロナウイルスの流行前は実はそんなに上がっていませんでした。しかし、新型コロナウイルス流行後、大きく以下の要因によって建物価格が上がっていると考えられます。
- 円安による資材の仕入価格の高騰
- 原油高による輸入・搬送コストの高騰
- ウッドショックによる木材価格の高騰
- 人手不足を補うための人員確保による人件費の高騰
土地価格については、東京や大阪の大都市圏を中心に需要と供給のバランスの差が大きくなり、価格が上がり続けています。東京や大阪の中心部では物件が残り少なく、しかし購入したい人が増えている状況です。それにより、多少価格が高くても購入されているため、どんどん上がり続けています。
その結果、中心部では買えないため郊外で探す方が増え、郊外でも物件数が不足している状態です。なので、郊外でも皆さんが思っているよりも高い価格になってしまっており、予算オーバーし、ご相談に来られる方が増えています。
3. 不動産価格は今後も上がっていくのか
建物価格、土地価格含め、不動産価格が変動するのは、様々な要因があります。ただ、その中でも大きな影響を与えるものとして『金利』が挙げられます。
先日、日本銀行で10年国債の利回りの変動幅を柔軟化するというニュースがたくさん取り上げられておりました。しかし、まだまだ欧米諸国との金利差は大きく、為替についても円安が続くのではないかという意見が多いです。
つまり、円安の影響で輸入資材は高騰したまま維持、またロシア・ウクライナ問題の影響や人手不足、需要と供給のバランスの差の拡大もまだまだ続く可能性があることを考えると不動産価格は上がっていくか、高止まりで維持していく可能性が高いと考えられます。
4. まとめ
住宅を購入したい方の中で、不動産価格が下がってから検討しようとお考えの方も多いかと思います。もちろん、それも選択肢のひとつですが、いつになるか分かりませんし、先になればなるほど、老後を含めた資産形成が難しくなっていきます。不動産価格が下がるのを待つよりも、今の条件の中でもどうやったら安心して住宅購入していけるのかを考えてみませんか?生涯設計の中では、住宅以外にも、教育費、生活費、車、保険などたくさんお金がかかるものがいっぱいあります。それらを総合的に見直して、将来の見通しを立ててあげることで、今でも理想の住宅を購入することができるかもしれません。
まずは、今は不動産価格が上がってるからと諦めるのではなく、一緒にベストな形を探してみませんか?
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